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3.遊動円木

 「遊動円木」

小学校の放課後の校庭
誰もいないのに揺れる遊動円木

小首をかしげてランドセルしょった
幼い私はいつまでもそれを見ている

年月を経て、疲労の夕べ 都会の片隅の
小さな公園のブランコに私はすわる

去り行く八月の深夜は 風が止まると汗……
靄(もや)った大気が虫の音も消してしまう

水銀灯の広場には時代に揺れる幻が見え
時の彼方の遊動円木と重なる

揺れろゆれろ 遊動円木 
揺れろゆれろ 遊動円木 

小学校の放課後の校庭
誰もいないのに揺れる遊動円木

小首をかしげてランドセルしょった
幼い私はいつまでも見ている

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